【仕組預金】元本通貨変動型商品の仕組みを解説するよ!

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ネットバンクの仕組預金は儲かるか
では早速前回の続きである仕組預金の元本通貨変動型の商品について説明していきます。

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仕組預金②元本通貨変動型

商品例:

じぶん銀行 - スイッチ円定期預金

住信SBIネット銀行 - コイントス

念のために言っておくとこちらの商品においても銀行は満期延長型の仕組預金のような手法で利益が上がりますので手数料は取られないのが一般的です。

ちなみに元本通貨変動型の仕組預金はさらに商品内容が細分化されるんですが、これから説明するのは”円で預けて、満期日にには円か外貨で償還、利息についてはどんな場合でも円で支払われる”というタイプのものです。

住信SBIネット銀行には同じ元本通貨変動型の仕組預金で”オセロ”という商品もあるのですが、図を描くのが死ぬほど面倒少々特殊ですので説明は省略します。

基本的な考え方はこれから説明する商品と同じですが、預入の時点での通貨が円ではなく外貨の形になり、満期日に払われる利息が円だったり外貨だったりとその辺りが違う感じの商品になります。

こちらは前回説明した満期延長型の商品に比べると複雑ですが、ざっくり説明すると預け入れたお金(元本:円など)が、一定の条件で満期日に別の通貨(米ドルなど)に変わる(元本通貨が変動する)商品です。

一般的に別の通貨に変わって償還された場合は”損したことになる”と思ってもらっていいと思います。

一生懸命頑張って図を描きましたのでこれを利用して商品の特徴について説明したいと思います。かなり頑張って描きましので「このヘタクソ!」とか「姉歯!手抜き!」とか言うのはやめてください。

商品募集の際にどの通貨での運用をするかということを決めることになりますが、だいたい殆ど米ドル・ユーロ・豪ドルが一般的です。通貨によって与えられる金利も変わってきますので、どれが良いかよく考える必要があります。

基本的にはどの商品でもかなり高い利率が設定されていますが、運用期間は短いです。米ドルだと年利12%という金利が設定されていたりしますが、運用期間が1ヶ月しかありませんので結局12%÷12ヶ月で1%の金利しかつきません。

とはいえ、それでも定期預金なんかに比べれば遥かに大きな数字ではありますので、どうしてもという人にとってはやってみる価値は十分あると思います。

元本通貨変動型商品の募集開始されてからの流れ

さて、では実際に募集開始されてからの流れを確認しましょう。

  1. 募集期間中に申し込み(預入金額・特約通貨等を決定)
  2. 募集期間終了後数営業日後に特約確定日で、当日の実勢レートから特約レートを算出
  3. 特約レート決定日から数日後に実際に資金を預入
  4. 満期日の数営業日前にレート判定(特約レートより円安であれば円償還、円高であれば外貨償還)
  5. レート判定の結果により、満期日に元本が円もしくは外貨で償還され、利息は円で普通預金に入金

こんな流れですね。よく分かりませんね。では実際に図を見ながら説明していきましょう。
いくつか為替レートの動きを仮定しそれぞれのケースで色分けを行っています。

通過変動型仕組預金

条件

  • 特約通貨は米ドル
  • 実勢レートは100円/米ドル
  • 特約レートは90円/米ドル (今回の例では実勢レート−10円)
  • 赤は判定日に105円/米ドル
  • 橙は判定日に92円/米ドル
  • 青は判定日に89円/米ドル
  • 緑は判定日に87円/米ドル

赤のケース

判定日に特約レートよりも円安で満期日にもさらに円安となったケースです。この場合は元本も利息も円で償還されて完全にプラスになりますのでやった大成功!と思われるかもしれませんが、実際にはもともとのレートで外貨預金として運用して満期日の日に円に両替していればもっと儲かったはずなので機会利益を失ったケースといえます。

橙のケース

判定日に特約レートより円安で満期日には特約レートより円高となったケースです。この場合も元本も利息も円で償還されることになります。判定日時点で特約レートと比べてどうか、という話ですので満期日のレートは関係ありません。

また満期日に円高になっているということは”外貨預金で運用していた場合損をしていた”ということになりますので、このタイプの仕組預金では最も運用に成功したといえるケースになります。超うれしいですね。

青のケース

判定日に特約レートより円高、満期日では特約レートより円安になっているケースです。利息は円で償還されますが、元本は米ドルで償還されます。変換レートは特約レートである90円/米ドルなのでやはり損した気分になってしまいますが。

満期日までに特約レートより円安になっているので、円安の度合いによっては満期後すぐに円に両替した場合に円ベースでの元本が預入時より増えている可能性が出てきます。あんまり差が小さいと両替手数料で元本割り込んじゃいますが…。

でも大きな期間損失も発生しない儲かりパターンのひとつです。超うれしいですね。

緑のケース

判定日に特約レートより円高、満期日でもさらに円高になったケースです。利息は円で償還されますが、元本は米ドルで償還されることになります。最悪なことにこのときの米ドルへの変換レートは特約レートである90円/米ドルということになります。

判定日のレートは87円/米ドルなので本来であれば1ドルあたり87円で購入できるはずなのに、特約レートがあるせいで1ドルあたり90円で購入しないといけないのです。しかも満期日を迎えるまでの間にさらに円高になってしまったので、いくら利息が円でもらえたとしても円ベースで考えた元本は当初預入時より大きく毀損していることになります。

その損失について別の手段を用いることなく解消したいなら円安になるまでその外貨を持ち続ける必要があります。

図には色々と描きましたがぶっちゃけた話、運用期間中の為替レートの変動はこの商品の利益には何の影響も与えません。とにかく最初の特約レートがいくらになるか、というのと判定日に実勢レートがいくらであるか、というところだけが大事な話になります。

また上記4ケースの説明からも分かるかと思いますが、仕組預金の特徴として為替が大きく変動しなかった場合において大きい利益が得られる商品だということが言えます。

実際には結構シビアな商品なので難しい

今回のケースでは簡略化のため、当初の特約レートを(当日の実勢レートー10円)としてますが、実際にはそんな条件が付与されることはありません。だいたいー0.5円~-1円程度です。で、期間1か月なら1円くらい余裕で動きますし、為替の動向によっては1日で数円値が動く可能性がありますので非常に難しいところです。

余談ですが、これが一般の銀行の取り扱う仕組預金であれば富裕層向けだったりするため1口の金額が大きいので特約レートのもっと幅を大きく取ってもらえたり、一度に数口やってくれる大口顧客の場合は、運用条件のニーズを聞きながら個別の条件設定をすることも可能だったりします。

前もって出口戦略を考える必要がある

あと問題となるのは外貨で償還されてしまった場合にそのお金をどうするかってことをよく考えておかないといけません。そうなってしまってから考えだすとどうしようもなくなってしまうことがありますからね…。

外貨での払い出しができない銀行があったり、ネットバンクでは外国送金に対応していないところもありますからね。その場合は円に両替して出金するか、外貨ベースで運用して条件を満たせば期日に円貨で償還してくれる仕組預金もありますのでそういった商品で再度運用することを考える必要があります。

個人的にはだが…

あくまで個人的な思いでしかありませんが、前回紹介した”満期延長型”の仕組預金よりはこちらの元本通貨変動型の商品のほうが金利も良いですので、もしも俺が仕組預金をやるとすればこちらのタイプの商品に投資するかなぁと思います。

これはあくまで俺の個人的な考えです。これら意見を参考に投資していただいても構いませんが、投資は自己責任が原則ですので安易な判断で投資しよう!と決めることの無いようにしてください。

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