【MTG】マリガンについて考える【Magic Duels】

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マジック・デュエルズのストーリーモード「マジック・オリジン:ギデオン編」にはマリガンの要素は登場しませんでしたが、今後のプレイには必ずマリガン判断を行うことになります。ちなみにマリガンとは、ゲーム開始時に7枚の手札を引いてそれを確認した際にその手札が気に入らなければ、一定の条件のもと再度手札を引き直して良いというルールです。

最初にズバリ言っておきますが、マリガンするかしないかの判断はめちゃくちゃ難しいです

マリガンする?しない?

世界大会のトーナメントで活躍してるようなトッププロの方々でさえ「マリガンに正解は無い」とテキトーな悩ましい回答をされるようですので、初心者に毛が生えたようなレベルの俺が語るのもおこがましい話ではあるんですが、マリガンはMTGをプレイするにおいて避けて通れない問題です。

キープすべきでない手札をキープしたために負けたとか、何度マリガンしても納得できなくて手札4枚でスタート、なんて突然子どもが熱出すくらいよくあることですからね…。

そんなわけで俺自身の考えを整理するという意味も含めてマリガンの判断について考えたいと思います。

ただ、マジック・デュエルズでは特殊なマリガンルールが適用されていますので独特の判断が必要になる気もしますが、別に普段のマリガンと同じように考えても良いような気もしますのでそれらについて考えたいと思います。

また、マジック・デュエルズとは直接関係ありませんが、MTGの黎明期から現在にかけて何度かマリガンルールが変更されており、現行のルールは久しぶりにMTGをやる人にとっては「え?え?」となるようなところがあると思うので、まぁせっかくマリガンの話を扱うのでまずはマリガンルール変遷の歴史についてご紹介したいと思います。

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マリガンのルール変遷について

現行のマリガンルール(2016年現在)

こういうルールについての話は原典やルールブックにあたるのが基本であり必須ですので、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が公開しているマジック総合ルールから引用しましょう。

1. ゲームの考え方

103. ゲームのはじめ方

103.4 各プレイヤーは初期手札枚数に等しい枚数のカードを引く。初期手札枚数は通常7枚である(ただし効果によって初期手札枚数が変わることがある)。最初の手札が満足できるものでなかったプレイヤーは、マリガンを行なうことができる。まず、開始プレイヤーがマリガンを行なうかどうかを決め、その後、ターン順に各プレイヤーが同様の選択を行なう。全プレイヤーが選択を終えた後、マリガンすることを選んだプレイヤーは同時にマリガンを行なう。マリガンとは、手札をライブラリーの中に混ぜ入れ、そして1枚少ない枚数の新しい手札を引くことである。これ以上マリガンをしないと決めたら、そのカードがそのプレイヤーの開始時の手札となり、それ以降マリガンをすることはできない。この手順は、すべてのプレイヤーがマリガンしなくなるまで繰り返される。(手札が0枚になった場合、そのプレイヤーはそれ以上マリガンすることはできない。)すべてのプレイヤーが開始時の手札を決めた後、開始プレイヤーからターン順に、開始時の手札が初期手札枚数よりも少ないプレイヤーはそれぞれ自分のライブラリーの一番上のカードを見てもよい。そうしたなら、そのプレイヤーはそのカードを自分のライブラリーの一番下に置いてもよい。

103.4a ヴァンガード戦では、各プレイヤーの初期手札枚数は7枚に自分のヴァンガード・カードによる手札補正子を加えたものである。

103.4b 効果によって「あなたがマリガンをできる状態で」何か処理を実行すると書かれている場合、そのプレイヤーはその処理を、マリガンするかしないかを決定する時に行なってもよい。これは1回目のマリガンである必要はなく、他のプレイヤーがマリガンするかどうか決めていようがいまいが関係ない。その処理をした場合、そのプレイヤーは改めてマリガンするかどうかの選択を行なう。

103.4c 多人数戦では、各プレイヤーが最初にマリガンを行なう場合、最初に引いたのと同じ枚数の手札を引く。それ以降のマリガンでは、通常通り1枚ずつ手札が減らされていく。

103.4d 「共有チーム・ターン」選択ルールを用いる多人数戦において、まず開始チームの各プレイヤーがマリガン行なうかどうかを選択し、その後他のチームそれぞれのプレイヤーがターン順に同様の選択を行なう。チームメイトはマリガンを行なうかどうか相談してもよい。その後、全てのマリガンが同時に行なわれる。チームメイトがマリガンをしないことを選んだ後でも、もう一方のプレイヤーはマリガンすることができる。

出典:ウィザーズ・オブ・ザ・コースト-マジック総合ルール

現状のルールで重要なのは①マリガンする・しないは自由に決められる②マリガンを行うなどして”開始時の手札”が初期手札枚数(通常7枚)より少ない場合”占術1(ライブラリの一番上のカードを見て、ライブラリの一番下に置いても良い) ”を行う、という2点ですね。

※②について厳密には”占術1”の記載はありませんが、やってることは”占術1”と全く一緒ですので今後もそう表記します。

特に②の方は『戦乱のゼンディカー』から正式採用された本当に新しいルールですので最近MTGを再開された方は「そこまでしちゃっていいの?」とみなさん驚くようです。

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ちなみに、あくまで行うのは”占術1”であり、ダブルマリガンで手札5枚スタートだからといって”占術1”を2回行ったり”占術2”が行えるというワケではありませんのでご注意ください。

後述しますけど、マジック・デュエルズのマリガンは独特でありこのルールは採用されていません。

あ、あとルールに記載されてるワケではないし、マジック・デュエルズをプレイする上ではあまり関係ないことですが、ゲームをプレイする中で当たり前に使われる言葉として、初期手札を見てマリガンの判断をすることを”マリガンチェック”、マリガンしないことを”キープする”と言いますので一応覚えておきましょう。

過去のマリガンルール

初期

本当の最初期の頃は公式な大会とかそんなのも存在してませんので、ルール自体もきっと結構ずさんだったと思うんですけど、そもそもマリガンするというルール自体が存在していなかったようですね。

で、俺がMTGの存在を知った第4版のころは、手札が「すべて土地」か「すべて土地でない」のときのみ「オールランド・マリガン」「ノーランド・マリガン」を宣言して”手札を公開して”マリガンができました。この場合は7枚引き直せるんですが、マリガンは1度しかできず再度オールランド、ノーランド状態でもマリガンできないという厳しい感じでした。

なので多色デッキなんか使ってるとなかなかしんどい事態が発生しやすかったんですよね…。《森》が1枚しかないのに赤のカードが6枚みたいな状況に陥るともうその時点で”投了”の2文字がちらつき始めますからね。

つーか一方の土地事故が原因で勝敗がつくなんてプレイしてても観戦してても恐ろしいほど冷めますからね…。どちらのプレイヤーにおいても全く楽しくないゲームになってしまいます。なのでこのマリガンが改良されたのは。

パリ・マリガン

内容だけ単刀直入に。「プレイヤーの判断で自由にマリガンを行うことができる。ただし、マリガンするたびに手札が1枚減る」

このマリガンルールは大変すばらしいもので、
細部のルールは何度か変更されていたりもしますが、この方式が現行のマリガンルールにおいてもベースとなっています。

この方式だと、現行のように”占術1”は行えません。なので、マリガンの判断はより厳しく行われていたと考えてよいでしょう。逆に言えば現行ルールではマリガン判断を多少緩くしても大丈夫になったと言うか、難しい手札でもキープしやすくなったと言えます。全体的にこの変更は好意的に受け取られてるみたいで、まぁだからこその正式採用ということになったのでしょう。

マジック・デュエルズにおけるマリガン

何度も言ってますがマジック・デュエルズのマリガンは少々特殊で、基本は”パリ・マリガン”ですが、最初のマリガンだけ7枚引き直すことができるという”フリーマリガン”も採用しています。

本来MTGは1マッチ3ゲームで2本先取など、複数回プレイの末勝利を決めるのが基本なんですが、マジック・デュエルズでは1発勝負でサイドボードも無しなのでこういった変則的なルールを取っているといった感じでしょうかね。

なので最初の手札を見て微妙だなと思ったら積極的にマリガンを行いましょう。どうせ7枚引き直せるんですから。

マリガンの判断

マリガンするかどうかの判断はこの記事の最初でも書いたように熟達したプレイヤーでもはっきりとした回答の出せない問題です。個別の事案への対応は難しいので、判断ポイントについていくつか紹介したいと思いますので、あとは実践あるのみで何度もやってみてください。

ぶっちゃけマリガンって経験と勘だし、結局のところ結果論でしか語れませんからね…。マリガンして勝てばマリガンしてよかった、マリガンして負ければマリガンするべきでは無かったってね。悪い手札(と思われる手札)をキープして負ければ笑われるし、勝てば伝説にもなり得ます。

そんな訳でその判断が良かったかどうかを実際のゲームで判断するのは難しいところです。なので大会に出るような人はアレですが、マジック・デュエルズをプレイされる方は後述するように十分慎重にマリガンの判断をするべきではありますが、神経質に考えすぎる必要はありません。最初のマリガンでは7枚引き直せる”フリーマリガン”を採用してますからね。

初期手札でどう展開できるか考える

最初に手札を引いてきたときに、今後3,4ターンの間にどう動けるかをシミュレートしてみましょう。デッキの構成にもよりますがさすがに3ターン目まで土地を出す以外何も出来ないような展開になるようではその後がかなり厳しいです。

また、自分の手番が先攻なのか後攻なのかも重要なところになります。先攻の場合1ターン目にはカードを引けませんので初期手札に土地が1枚の場合、他の手札のカード次第となりますが、まずマリガンした方がいい場合が多いです。後攻の場合は1ターン目にもカードを引けますので、土地を場に2枚出すまでの間に最低でも2枚カードが引けるはずですので手札の内容によっては土地が1枚でもキープしても良いかもしれません。

またマジック・デュエルズの場合、一発勝負ですので、基本的に相手のデッキ構成を考慮してマリガンを判断することができません。なので相手のことは考えず自分にとって最高の展開ができるようマリガン判断を行いましょう。

自分のデッキの特徴をしっかり把握する

土地やマナカーブの話に傾倒しちゃいますけど、自分のデッキがうまく回るには1ターンで何マナ出せるのが理想なのかを把握しておく必要があります。軽い呪文が多いなら土地はそれほど多くなくても良いので初手に土地が1枚でも問題無いかもしれませんし、土地が4枚5枚あっても邪魔なケースが考えられますのでマリガンした方が良いかもしれません。

マリガンの際にはデッキのマナカーブも考えよう

以前の記事で【スターターボックス白緑】デッキを紹介しましたが、その時に理想的な展開について説明しました。まさにあのように1ターン目からどのように動くのが自分のデッキにとって最も理想的な展開なのかをよく考え、理解しておくことこそがマリガン判断の大きな基準となります。

安易にマリガン・キープの判断をしないこと

マリガンするべきかどうか考える際によくある勘違いとして「手札にたくさん土地があるからもう引いてこないだろう」という考えがあります。

例えば土地が6枚あった場合に「もう土地が6枚もあるんだから以後のドローでは何か呪文カードを引いてこれるだろう」などと考えて手札をキープしてしまうのは考えものです。例えば60枚デッキで土地を24枚入れてるデッキならこのケースの場合、残り53枚のライブラリーに土地が18枚残っていることになりますので、1ターン目のドローで土地を引いてくる確率は18÷53でおよそ34%となります

決して低い確率ではありませんよね。マリガンに限った話ではありませんが、こういったゲームでは当たり前なんですが数字の根拠なく「前こうだったから次はこうなるだろう」などと考えるのは敗北への第一歩と言っても過言ではありません。

行動する前にどんなことが起こり得るかよく考えましょう。想像力たくましくプレイしましょう。どんな状況でも全てが必ず自分の思い通りになることはありません。ですので、自分の思い通りの展開にならなかった場合にどうするか、それをよく考えた上で今後の自分の行動を決めるようにしましょう。

それがマリガン判断の成否、ひいてはデュエルの勝敗につながります。

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