さて、先日は消費カロリーについて3つの代謝が関わってくるという結構大事な話をしました。ちゃんと覚えてるかな?
といっても細かい話については良いので、自分の基礎代謝がどれくらいあるかという計算についてはぜひご自身でやってみてください。
確認のために再度、基礎代謝量の計算式(日本人向けハリスベネディクトの式)を載せておきましょう。
男性: (13.397 × 体重[kg]) + (4.799 × 身長[cm]) -(5.677 × 年齢) + 88.362
女性: (9.247 × 体重[kg]) + (3.098 × 身長[cm]) - ( 4.33 × 年齢) + 447.593
ここで前回は結構男女差が大きくて、男性の方がダイエットが簡単なんだよ〜という話もしましたが、さらにもう一つここから大事なことが分かります。
よくダイエットの常套句に「筋肉をつけて痩せる体に」とか「筋肉をつけて代謝量アップ」なんてものがありますが、あんまり筋肉量は関係ないということです。
だって計算式に筋肉量とか脂肪量とか出てこないからね。
筋肉が増えても痩せやすくなりません
筋肉と脂肪の量というか割合というか、そういうのが消費カロリーに与える影響という概念は間違って無いというか、確かに影響はあるんだけど「そうやって言うほどの効果はねぇよ!」とまぁそういう話です。
もちろん大会に出て優勝してくるレベルのボディビルダーくらいなら違いは出てきますが、我々一般人レベルの人間には、基礎代謝という意味では筋肉量はほとんど関係ないということです。
ちなみに脂肪1kgあたり1日の消費カロリーは5kcal、筋肉1kgあたり1日の消費カロリーは13kcalなので、わずか8kcalの差しかありませんので、なんていうかもうほとんど誤差のレベルだということですね。
しかも往々にして筋肉が増える量に比べて脂肪が減る量の方が遥かに大きいのでダイエット実施して痩せていけば痩せていくほど基礎代謝も低下していくということになります。これがある種の停滞期の一因と言えるのかもしれません。
要は痩せる前と同じ食事を続けていたらだんだん痩せなくなってきた…というのは、体重が減ることで基礎代謝量も低下して摂取カロリーと消費カロリーが次第に拮抗してくるようになってしまった…という事態が起きているということですね。
巷でよく噂される迷信に脂肪が筋肉に変わる…とか筋肉が脂肪に変わる…みたいな話がありますが、それはデタラメです。ありえません。脂肪と筋肉は別の物質ですので、変質するなんてことはあり得ません。
消費カロリーの概算値
というワケでまた話が逸れてしまいましたが、ハリスベネディクトの式を用いて基礎代謝量が計算できると、その流れで1日の消費カロリーの概算が算出できるよ!という話になります。その数式は以下の通り。
基礎代謝 × [A] = 消費カロリー概算値(運動除く)
ハリスベネディクトの式に比べるとずいぶんすっきりしてますね。
この[ A ]という値ですが、身体活動レベルという概念より数字を導き出します。またなんか数字か…という気持ちを抱かれた方もいるでしょうがそんなにややこしい話ではないのでごあんしんください。
ただやっぱりここでも筋肉の量は出てきませんので、筋肉の量が消費カロリーに与える影響などほぼ無視して良いレベルだということが分かりますので、筋肉を増やして痩せやすい体にうんぬんというのはやはり全く関係無いということが改めて言えますね。
[ A ]の値 | 目安 | |
---|---|---|
身体活動レベル1 | 1.3 | ほとんど座って生活してて、あんまり歩いたりもしない人 |
身体活動レベル2 | 1.5 | だいたい座って生活してるけど、たまには立って作業したり 通勤・通学・家事で動いてる人 |
身体活動レベル3 | 1.7 | だいたい立ち仕事してるか 日常的に結構なレベルで運動してる人 |
表の中でも一応それなりに噛み砕いて書いたつもりだけど、多分わかりづらいと思いますのでもう少し踏み込んで説明しておきます。
- レベル1
- 自家用車で通勤
- 事務職などでほとんど座って仕事
- ほとんど運動しない
- レベル2
- 電車やバスで通勤・通学
- 事務と接客と半々くらいの仕事
- 主婦でもスーパーなどの買い物に自転車や徒歩で行く
- 週に何度かは運動する
- レベル3
- 常に立って歩きまわって仕事(ショップ店員とか)
- 肉体労働系の仕事
- 毎日数時間運動している